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言語をつくる その1

頭の回転を速くしたい、と誰もが一度は思う。本稿はその万人の漠然とした望みに、独特なアプローチを仕掛けてみようというものである。このシリーズの基盤となる考えは、問題解決に特化した言語をつくることで、実質的に頭の回転を速められるのではないか、ということである。

日本語は非常に冗長である。とても問題解決に向いているとは言えない。問題解決に詩的表現なんて必要ないことからも明確だろう。そしてそれは、日本語だけでなくどの言語においても同じである。要するに、言語の問題解決における優位性というのはかなり低いものなのだ。

では、早速作っていきたい。
いくつか考えを箇条書きにした。
1、個人の力で必要な言語を全て作って体系化するのは不可能なので、部分的に日本語を使って思考するフェーズを入れ込む。
2、問題解決において1番時間がかかるのは、手のつけ始めと最後の表現するということである。そのため主にこの部分について自作言語をつくる。

その上で、簡単に全体像の予想を説明すると、
手のつけ始め(自作言語)

思考(日本語+自作言語)

表現(自作言語)

「手のつけ始め」について
まずこの段階は問題をカテゴライズするべきだろう。闇雲に考え始めて全体が見えぬまま思考するより、結果的には速くなるはずだ。つまり、考えて考えた結果、そういやこの問題って、、、ということになるのは大幅な時間ロスになるということである。
第一カテゴライズ
「その問題は解決するべきか、そうでないのか」
解決するべきでない問題を考えることほど意味のないことはない。
第二カテゴライズ
「問題は明確か」
明確でない問題は考える意味がない。問題設定を見直す必要があるから、ここで直ちに気の利いた行動に移せる。「その問題、条件が曖昧です。」
第三カテゴライズ
「論理的に解決するべきか」
(感情的に解決するべきでないか)
のちの自作言語の都合により、完全な二択(感情か論理か、といったもの)にできないので、論理的に解決するべきか、という間接的な二択でカテゴライズする。
第四カテゴライズ
「思考で求められるか」(実験で求められないか)
あらゆることを思考で求めることができるというのは誤謬であり、大概の研究者は予想としてそれを思考で求めているだけなので、必ずその後に実験が伴う。思考だけで事足りるのは数学とか哲学とかそんなものである。ただ今回はそこまで厳密に思考することを考えていないので、仮説のフェーズはいらないだろう。よって、実験で求められるのなら「では実験しましょう」と即座に動ける。

これらはどちらも二択なので、2つ自作言語を作れば済む。私はこれを「ハレ」と「ケ」にしようと思う。日本語ではあるものの、本来この言葉に先述のような意味合いはなく、そもそもインターネットには、この文面には言語しか入力できない。そのためこの2つを採用した。「ハレ」はその問題が各々のカテゴライズにおいて有意的であることを意味し、「ケ」はその反対である。慣れないうちは仕方ないが、重要なのは、元のカテゴライズを意識しないことである。日本語に変換してしまうとその言語で考えることにならないからだ。1番目と2番目、、という順番自体がそれぞれのカテゴライズを表す。だから1→ハレorケ、2→ハレorケ、、、という思考が理想である。また、どこかがケであれば、それ以上思考する必要はないので打ち止めになる。
「筆箱の重量はいくらか」

(もちろん状況によって異なる)

カップラーメンは何分放置するのが1番美味しいか」
ハレ、ケ
(品種によって当然異なるので、「どの商品の場合を考えますか?」と発言できる)

「今日のご飯はなににしようか」
ハレ、ハレ、ケ
(和食とか洋食とかの条件はなくても問題は成立するので2個目のカテゴライズもハレ)

日清食品カップヌードル チリトマトヌードルは何分放置するのが1番美味しいか」
ハレ、ハレ、ハレ、ケ

「円周率が3.05よりも大きいことを証明せよ」
ハレ、ハレ、ハレ、ハレ


あなたもなにか、ふと思いついた問いでこのカテゴライズをしてみて欲しい。実は我々がいつも頭をもたげていたものは条件が不明瞭だったり、感情的に解決するのか論理的に解決するのか分かっていなかったり、実験でしかわからないことだったりする。つまり、我々がどれだけ時間を無駄にしていたかに気づくだろう。少し気がかりなのは、このやり方は、むしろ頭の回転が遅くなった気がするということだ。ただ、これも熟達すれば通常の比ではない速度で答えや行動に移せるはずである。

その2につづく




次回(考察)嗜好はいつ形成されるか
   +(R18考察)???

ちなみに「嗜好はいつ形成されるか」は
ハレ、ハレ、ハレ、ハレ
である。第二カテゴライズがハレなのは、食べ物も人も、嗜好の形成時期が別々である可能性が低いとは考えにくいため、一括しても条件が緩いとは言えないからである。