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(考察)斬新な発想の出し方

抽象的に、古いものを維持するとは保守的であり、保守的というのは最も手堅い手である。しかし将来性はない。新しい手というものは、やはりいつ何時も求められるものである。そんなアイデアは突然、一縷の稲妻のように閃くこともある一方で、地道な出し方も存在する。ところが、地道というのは道に沿うわけだから、やはり地に足ついた過去のものの繋ぎ合わせの産物に過ぎないのではないかと思うだろう。確かに私の編み出した方法は足ついて発想するが、たどり着く先は未知のものである。名付けてdoors法。

 

まずは名前のついたドアをいくつか用意しておこう。おすすめは同系統の3つ程度である。固体液体気体とか、朝昼夜とか。衣食住などは同系統具合が薄く、難易度が高い。次に発想の種をもってくる。するといくつかのドアは勝手に開き始める。

 

例えば、洗剤という種をもってくる。固体のドアが開いて、向こうに石けんが見える。続いて液体のドアが開いて、向こうにシャンプーが見える。そして、気体のドアが開かない。なるほど、では「気体の洗剤」なんてものはどうだろう。と、発想が生まれるのである。

 

もう一度やってみよう。風呂という種をもってくる。朝と夜という扉が開いて、朝風呂と夜風呂が見える。なるほどでは「昼風呂」を考えてみよう、となるのだ。

 

実際の現場では種が決まっていることが多いのでこんなにすべて綺麗にいくわけではないが、そんな時は種の見方を変えればいい。洗剤ではなく汚れを落とすもの、こうすると気体の扉も開いて向こうには空気清浄機が見える。風呂ではなくリフレッシュ、とすると、夜は寝ること、朝は?昼は?なるほど多くの余地があると分かる。このように、種の見方を少し変えるだけで、全く違うところにドアは繋がる。

 

あとは同系統セットをいくつかもっているといいだろう。風呂の種を固体液体気体のドアの前に持っていくと左から氷風呂、普通の風呂、サウナと開くから、これでは使えない。しかし先程の朝昼夜なら活路は見えるのは先述した通りである。

 

やっていることは基本的に掛け算で発想をしているだけだが、あまりに選択肢が多すぎることは発想の邪魔になり、むしろ地道ではなく掛け算するものを選び出す直感という閃きが必要になる。そんなやり方をスリムに賢くしたという形である。閃きに頼らないということが大きいだろう。時間さえかければ、誰でも新しい発想ができるはずだ。閃くのが苦手な人、閃く暇がない人、ぜひdoors法を試してみることをおすすめする。

 

ただひとつだけ注意しておきたいことがある。出てくるアイデアは斬新ではあるが、個性的では決してない。誰でもできるのだから当然である。だからdoors法に全幅の信頼をかけてそればかりやること、これはおすすめしない。あなたの人生で培ってきた知識も経験もほぼ反映されず、またそのアイデアに辿り着くライバルも多い。節度を守って時折使うようにするのがいいだろう。感覚的には、ちゃんとご飯を作るのが面倒だから今日はカップラーメンにしよう、というくらいの仕方なし感である。

 

それでは良い閃きライフを。