(物語)トンデモ科学部の先輩 16
「先輩、今日は七夕祭りですよ!」
「そうか。」
「校門にも大きな笹ありましたよね!なにかお願いしましたか?」
「してない。科学的じゃない。」
「またそんなこと言って、、それが良いんじゃないですか!1年に1度、織姫と彦星が天の川を渡り再会する、、なんてロマンティックなの、、」
「もう少し頻繁に会ってやれよ。」
「違いますよ1度だけっていうのがいいんです!行きましょ、ほら短冊書きに!」
「このワタアメおいひいれふね」
「君は校門へ最も非効率なルートを通っているのを理解しているか?」
「校内中お祭りなんですよ!遊ばなきゃ!」
「実験の続きしてもいいか?」
「今日は禁止って言われてるじゃないですか、変な気体発生させたらどうするつもりですか!」
「問題ない。我ら論理論考実験科学部の部室はそれ自体に緊急脱出システムがついてる。いざとなればあらゆる物質を内部に閉じ込めて部室ごと空へ飛ぶ。」
「私たちの部室って1階だと思いますけど。」
「、、、軒並み空に発射するまでだ。」
「そうですか。」
「先輩、なにお願いするんですか?」
「、、、」
「先輩?」
聞き覚えのある笑い声が聞こえる。
「それでね、私の元カレがその助手ちゃんにあまあまでさぁ、ほんと面白くって。」
「ははは!あいつは優しいからなぁ。まあそれがやつを、、」
先輩の元カノ、、、!!と謎の男??2人はペアっぽい浴衣を着ていて、彼らの雰囲気もただの友達のような関係には見えなかった。
「先輩、そこで短冊書いてる人って、、」
振り返ると先輩は校舎に引き返し始めていた。
「せ、先輩?!ちょっと!」
すたすたと去ろうとする。まるで先輩は嫉妬してるみたいに。そう、まるで、あたかも、嫉妬しているみたいに。