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(物語)トンデモ科学部の先輩 12

「ナナ、どうして来た?」

「昔つるんでた子がこの辺りに引っ越してきてさ、手伝いしてたのよ。そのついでに来たってわけ。」

「そうか。私は元気だ、以上。」

「冷たいこと言わないの。」

そう言ってこの女は先輩の胸元を手のひらでそっと触り始めた、、

「、、やめろ、、」

せんぱい、、?はきがないよ?振り解いてよその女の手!!

「どう、、昔を思い出す?ふふ。それで、だれが引っ越して来たと思う?慎二も必ず覚えてる人よ。」

やっと先輩は女の手を振り解く。

「知らない。」

「辰巳くん。同じ多摩中学の。」

多摩中学ってことは、、先輩って私と同じ高校編入組だったんだ。

「辰巳、、そうか。」

「あの頃は楽しかったわね。何も考えず、縛られず、ただバイクを走らせて、、」

「言うな!私は、、もう足を洗ったんだ。」

えぇ、、?!!どうゆうことぉ!!

「そうね、あなたはもう戻ってこない。この、、汚らしいビーカーやら、薬品やらに夢中だもの。」

女は部室を物色し始めた。

「分かっているだろう。私はあいつの、、」

「ええ、わかってる。でもそれにしては、、」

なに、この女私の方を見てくるんだけど。

「遊んでそうじゃない?ねぇ、子猫ちゃん。」

こねこ、、!!解せぬ!

「なんなんですかあなたは?部室は部外者立ち入り禁止ですよ。」

「いや、いいんだ九条。」

「は?」

なに?その女がそんなに大事なわけ?部員でもなんでもないでしょ?私情を挟む気?は?

「私、もう帰ります。」

「じゃあね〜子猫ちゃん。」

イラッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先輩の元カノ、、美人だった。中庭のベンチで元カノとの縁の切らせ方をネットで調べて余計何も分からなくなって、暗くなった画面に映る私の顔、、、ああ可愛くない。全然可愛くない。っていうかもう夕暮れじゃない。何時間調べてるのよ。

「私のばか。」

「あのお方を消しましょうか?お嬢様。」

「もっとばか。」

「ほほほ、そうですか?特注のバズーカーを、、」

「じいやはどっか行って。」

「はいはい承知しました、お嬢様。」

あの2人、下の名前で呼び合ってた。思い出話とかに花咲かせて楽しそうに笑い合ったりしてたかな、、いやでもなんか訳ありな感じあったし、、どうしよう、勢いで部室から逃げちゃったけどあれって先輩の過去とか知れるチャンスだったんじゃ、、ていうか部室で2人ってなんか昔を思い出してそれで胸に手をどころの話じゃなくなって、、、!!やばい涙出てきた。

「大丈夫か、九条。」

先輩、、?やだ泣き顔見せたくない。

「あの女は、、どうしたんですか、、」

「もう帰ったよ。君が急に出ていくものだから、何かあったのかと思って心配でな、様子を見に来た。」

遅すぎ、、

「なにもありません。いまは1人になりたいときなんです。どっか行ってください。」

「1人になりたいとき?」

「そうですよ、邪魔しないでください。」

「それで解決するのか?」

「は?なにがですか。」

「君の悩みは1人で抱えて解決できるものなのか。」

「、、」

「帰るぞ、部室に。日中できなかった実験がたくさんあるだろう?早く始めないと夜遅くなる。徹夜が好きか?ならばそれでも良い。」

あーもうわけわかんないよこの人、、

「ばか、、徹夜なんてしたら肌が荒れるの分からないんですか!早く行きますよ!ほら早く!足遅い!!」

「なんなんだ君は、さっきまであんなに、、」

「早く!のろま!亀の子!数の子!!」

数の子、、?魚卵、、?」

 

 

 

次回「先輩の過去」