いろいろ書く

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(物語)かずお、18歳になる

TSUTAYAにてー

「おいかずお、行くんだな、ついに。」
「たかゆき、、いつもお前はいかにも大人っぽいキャラだけど、俺の方が誕生日が早いなんてな。」
「そんなこと今は重要じゃない。友人が大人の階段を登るんだ。見届けさせてくれ。」
「ああ、それじゃあ、行ってくる。」
かずおは暖簾をくぐる。
「ふっ、ついに、行っちまったか。ちょっと寂しいな、、」
「お、おいたかゆき、、すげーよこれ、、」
「すげーってなんだよ。」
「すげーっていうのは、すげーってことだよ、、おいおいまじかよ。」
「もっとちゃんと表現してくれ。もどかしい。」
「見てみりゃ分かるってば!こいよ!」
「俺は行けないの知ってるだろ!」
「えええ?!」
「どうしたかずお!」
「こっちはもっとすげーぞ!!」
「だから!なにがどんなふうにすごいんだ!」
「いやだから!見たまんまだって!」
「ふざけるな!こっちの気も知らないで!!」
「店内ではお静かにお願いします。」
「あ、すみません。」
「たかゆき、、怒られてんじゃん、静かにしろよ。」
「このクソ坊主。」
「口が悪いねぇ、この状況で有利なのはどっちだい?なにがどうすげーのか教えてやるかどうかは、俺の気分次第だぜ?」
「、、、分かった、とでもいうと思ったか。あと3ヶ月の辛抱くらい大したことない。」
「残念だよ、たかゆき、、分かった。それじゃあ俺は至高の一本を選んでくるよ。じゃあな。」
(、、、あと3ヶ月、概算で90日、2160時間、129600分、秒数にすると、、、ん?あれは、、!さとみちゃん?!かずおの好きな子だ!!)
「あれ?たかゆきくん!学校の外で会うなんて、奇遇だね。今日のクラス会で恋愛映画見たじゃない?それで、なんだか急にタイタニックが見たくなっちゃって。」
「あ、ああそうか。」
「たかゆきくんは、なにを探してたの?」
「え、えーっと、最近ちょっと推理映画にハマっちゃってさ。シャーロックホームズの映画でも借りようかなーなんて。うん。」
「?海外映画のコーナーって反対側だよ?」
「え?あ、そうなんだ、、いやぁここきたの初めてでさ、全然わからなくて、、」
「おいたかゆきー!最高の一本見つけたぜ!見ろよこれこれ。この表紙、、、ん?さとみちゅぁぁぁーーーーーん??!!!!」
「それ私が借りたかったやつぅぅぅーー!!!!」
「ええええぇぇぇーーー!!!!!」


次回
(考察)慣性の法則と恋愛について