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(物語)トンデモ科学部の先輩 8

結局テスト期間ずっと実験で全然勉強できなかった、、あの時流されるんじゃなかったな。
「効果はどうだった?」
「なにがですか?」
「服用して日記をつけろと言ったはずだが。」
「先輩、さすがに。」
「嫌か。」
「嫌です。」
「では君に渡した分は?」
「確かあっちのテーブルに、、」
「あぁ、あった。ん?なんか減ってないか?6錠あったよな、、?1、2、3、4、5、、」
「あ、あれれ。な、なんででしょうね。放置してたので、誰かが触って一粒落ちちゃったとかですかね?」
「この部室使ってるの私と君くらいだが。」
「、、、」
「九条、、」
「その、ほんの出来心っていうか、、家が厳しくてそういうのずっと縁がなかったけどこういうのって庶民の中じゃ普通なんでしょう?それで、、」
「作っておいてなんだが、こんなもの服用してる未成年はあんまりいるものじゃないぞ。」
「え?!!じゃ、じゃあもしかして犯罪とか?!」
「そういうわけでもないが。まあいい、それで、効果はあったのか?」

ヘブッ

「もうその話は触れないでください。」
「わ、わかった。すまない。」
「では私が服用しよう。」
「それもなんか嫌です。」
「そうはいかない。それでは作った意味がないじゃないか。君もテスト勉強を犠牲にしてやっていただろうに。」
「じゃあ第三者に使いましょう。」
「許可取れると思うか?」
「許可?そんなもの取れるわけないですよ。バレずにやればいいじゃないですか。」
「君、いま結構エグいこと言ってるぞ。」
「とにかく、私はそんなもの使いたくないですし、先輩が使うのもなんか嫌です。」
「、、分かった。じゃあ誰か部室に呼んできてくれないか。」
「分かりました。」





あれ、そういえば私友達いないじゃん。
「誰も連れて行けない、、先輩は、、あの人も友達いないか。」
「あ、九条家のお嬢様!!こんにちは!」
「あ、、あなたは!」
「はい!あの時は部活でちょっと忙しくて、ちゃんとお話しできなくてごめんなさい。」
「あ、いえいえ!」
確かバスケ部の子よね。
「九条お嬢様って呼んでもいいですか?」
「そ、そんな仰々しい呼び名は、、普通に呼んでください。普通に。」
「え、いいんですか!わかりました!じゃあ、、九条さん!!」
「は、はい!!」
やった、、!これ友達になったってことでいいのかな!いいのかな!
「ええと、失礼ながらお名前は、、?」
「あ、そうですよね!ええと西園なつみっていいます。」
「では、西園さん、、!」
「はい!」
「ふふふ、、!!」
「、、九条さんって、イメージとちょっと違いますね!」
「あ、、ええと、、そ、それはどういう、、」
「あ、いい意味ですよ!すごく人情味があって、可愛らしくて、素敵だなーって!」
友達よ、、これが友達!友達友達友達!!!!
「う、嬉しいです、、西園さんも元気があって優しくて、とてもいいなって、、」
「ははは、無理しなくても大丈夫ですよ!」
「いえ!本当に思ってますから!」
「そ、そうですか?ありがとうございます?えへへ、ちょっと照れます。」
どうしよう。仲良くはなれたけど、この人で実験するなんてそんなことできない、、!!
「そういえば、九条さんは部活どこに入ったんですか?」
、、!!本当のこと言ったら嫌われちゃうのかな、、
「え、ええと、まあ理科とかそういう系の、、」
「へぇ!九条さん理科に造詣があるんですね!流石だなぁ、、ん?理科、、部活、、??」
やばい、、

ガシッ!

「く、九条さん??」
「いいから、付いてきて!!」

タッタッタッ!

とりあえず催眠薬を飲ませてどうにかして、、念のため媚薬も飲ませて、、なんかうまい具合に記憶とか飛んでいろいろ都合よくなれ!!

ガラガラ!

「お、来たか。」
「、、?ここって、、」
「先輩、催眠薬は?!」
「え?すまないが今切らしている。」
「さ、催眠薬、、?!九条さん?!」
ええーと、じゃあ、、媚薬だけでいいか!

バッ

「あ、九条。用量は気をつけないと、、」
「西園さん。口開けて。」
「え??え??」
「いいから、私のこと信用して!」
「で、でも、、」
「顔があんぱんでできてる正義のヒーローは?!」
「え、、?ア」
「ええい入れちゃえっ!!」
「、、!!」

ゴクッ

「く、九条さん?!!ちょっとなにするんですか、、って、あれ、、う、、」
「九条!廊下に出ろ!」
「え?」
「いいから早く!」

ガシャ

「せ、先輩?!どうして鍵閉めたんですか?!!」
「危ないから君は入ってくるな!」
「でも先輩は、、!」
「別に私は君のためにここに残ったわけじゃない!実験器具を守るためだ!」
「せ、先輩!!」

バッ!

「白衣、、いつも着ていらっしゃいますよね、、お噂はよく聞かせてもらっているというか、、なんというかとっても、素敵な殿方、、、」
「効果持続時間は10分程度、それほど長くはない。だが心配なのは、、、」

ヘブっ

「うう、、やはり九条のやつ、のこり全て飲ませやがった!!」
「先輩大丈夫ですか!」
「いやまだ、君の拳の方が痛い、、どうにか耐えられる、、」
「よそ見しないでください。私を見てください。じゃないと、、」

ヘブッ

「せ、先輩!!ここ開けてください!」
「だめだ!!ん、、、?な、なんだ、、?ああ、めまいが、、、」

バタッ

「私だけのもの、、あぁ、素敵、、」
「ちょ、ちょっと先輩!!ていうか西園さん止まって!!」
「くちびる、、奪ってあげる、、」
「西園さん?!!聞こえてるでしょ?!やめなさい!!」
「あぁ、眠った顔も素敵、、いただきます、、」
「おい!!にし、、西園ーー!!!!」

ドガッシャーン!!!

「てめぇそれ以上近づくなぁー!!!」

バコーン!!

「ああ、あ、、、!」

バタッ

「先輩、、!先輩!!大丈夫ですか!先輩!!」





次回「友達!」
お楽しみに。