いろいろ書く

毎週日曜日更新

(考察)生き方の提案

生き方を考えるのは非常に難しい。本物の人生というのは、選択型ノベルゲームのように可能性が分岐するものではない。発散するものである。それらを逐一吟味していてはそのうちに息が絶えてしまう。しかし簡単に、様々そぎ落として人生の根幹にあるものを見つけることができれば、生き方にも考えようがある。

私が思うに、これは「年収」と「やりたいこと」の2つである。これを軸に考えると、生き方というのは随分考えやすくなる。もちろんいくらかの要素は省くことになるのだが、まずはここから始めるべきだろうと私は思う。これはただの提案であるから、いろんな考えがあっていいと思う。もし何かあなたが考えていることと違っていたら、それは当然あなたの考えを肯定して欲しい。

まず「年収」に関して。一年に私たちはいくらの出費があるのだろうか。単純に考えれば、年収が出費を上回ればいい。ただ、その出費というのはその人がどの程度の生活をしたいか、によるところである。自分が幸せに生きれる年収を考える必要がある。例えば私の場合、衣食住にはあまり興味がなく、趣味は読書である。税金を払っていれば図書館でいくらでも私は幸せになれる。このように諸々考えていくと、月に約13万あれば足りる計算となる。つまり、一年で大体160万くらいあればいい。実はこれでも毎年10万は貯金している。年収160万というのは、普通の社会人が働いているような時間にバイトで働いて、まったくもって普通に稼げる年収である。フリーターでも十分だということだ。もちろん、ではフリーターで生きるのかと言われれば、そうではない。これは最低ラインである。逆に言えば、このラインまでは私は幸せに生きていけるのである。あなたもぜひ一度計算してみて欲しい。いくら私が様々なものに興味がないと言えど、年収300万や、ましてや日本の平均年収の500万など、そのレベルでなければ幸せになれない人は、実際はほとんどいないはずだ。このようなことを考えると、なぜ人が盲目的に高収入の生活を求めるのか、不思議に思えてくるだろう。だが何よりも大きなことは、心に余裕が生まれるということだ。破産しようが、犯罪を犯そうが(例えばの話)大したことはないのである。

次に「やりたいこと」について。
年収の最低ラインが見えなければ、私たちは本当の自分の声を聞くことは難しい。人によって夢や携わっていきたいことなどいろいろあると思うが、ひとつ私は、「やりたいこと」をもう一段階抽象化してみることを勧める。例えば夢が建築家であれば、「建物を建てること」とか「ものを作ること」など。注意して欲しいのは、闇雲にただ抽象化するのではなく、なぜ自分がそれをやりたいと思っているのか、その本心に迫るという意味で、抽象的に捉え直すということである。選択肢が想像以上に多かったことに気づくはずだ。私の場合、いまは精神科医になろうと努力している。それは抽象化すると、私が「誰かの精神的な支えになること」をやりたいからである。だから、それは病院の職員でもいいし、カウンセラーでもいい、バイトしながら面白い物語でも書いてみるのもいい。その中で、とりあえず一番難しいことに挑戦してみたいから、現在頑張って勉強している。ちなみに、どの職種も年収160万を下回ることはまずない。また、抽象化するとこのようなことも考えられる。その抽象化されたあなたの「やりたいこと」はいまこの瞬間もできることではないだろうか、ということだ。建物を建てたいなら、日曜大工でも始めてみればいいし、ものづくりなんてどこでもできる。私もこのサイトは、あなたが読んでなにかの不安を解消する手立てになったり、ちょっと笑って気が和んでくれることを願って書いている。

さて、ここまで読んでどうであろうか。ぜひ一度「年収」と「やりたいこと」を軸に生き方を考えてみて欲しい。冒頭にも述べたが、あなたにはあなたの考えがあるはずだ。ぜひ食い違う部分があれば、それはあなたの考えを尊重してほしい。



次回「光源氏、デートをする。」