いろいろ書く

毎週日曜日更新

(物語)美幸ちゃん 1

「飽きられるのが怖い。」
「飽きられる?」
「うん。どれだけ私があなたを好きでいても、いつかあなたは飽きるでしょ?」
「飽きないさ。」
「いいえ、飽きる。」
「俺が君に飽きられる可能性だってあるじゃないか。」
「それはないの。」
「どうして?」
「ないったらないの!いいからお願い、私に飽きないで。」
「はぁ、、そういうところじゃないのか。いつも美幸は自分勝手だ。そんなに嫌だったら飽きられないように努力すればいいじゃないか!」
「なに言ってんのよ!!努力してるわよ!あーあやっぱり気づいていなかったのね!!1週間に1回は欠かさず前髪を切りに行って、1ヶ月に1度香水を変えて、話題とかもいろいろ考えて、、、私だって、、私だって、、いろいろ頑張ってるのに、、」
「わ、悪かったよ。でも確かに気づかなかった。」
「このバカ!!」
「いいか、俺は君にはそばにいてくれるだけでいいんだ。それで俺は十分満足してる。ずっとそれで幸せだよ。飽きるなんてことはない。」
「はあ?じゃあなに私はただの置物なの?!!」
「そういう意味じゃないってば!!」
「私は置物で、本命はあの子なんでしょ?!」
「んえっ?」
「この前一緒に手繋いで歩いてた子、、誰よ!!!」
「、、、知ってたの、、?」
「ラインの通知くらいオフにしときなさいよ、、、私はそんなことにも気づかないで、あなたに騙され続けている方が、、幸せだったのかな、、ねぇ、ねぇ!!聞いてる?!」
「き、聞いてるって。あれは友達だよ。」
「もう嫌よ健二!!!!そんなバカみたいな嘘で通るわけないじゃない!無意味よ!!全部!全部無意味!!!」
「もうちょっと静かにしてくれ!!冷静に話し合おうよ!」
「浮気しといてなんで冷静に話し合おうなんて言えるの?!ほんとにくず野郎!もういい!あなたには愛想尽かしたわ!!」
「ほうら、君の方が飽きたじゃないか。」
「あ、あ、、、飽きたなんて一言も言ってないじゃない、、なんでよ、、なんでいつもそうなの、、?!」
「全然言ってる意味が分からないよ!確かに手は繋いだ、、それについては謝るよ。でも友達だし、本当にそれ以上は何でもないんだ!信じてくれよ!そんなに嫌ならその人とはもうラインしない!約束するよ!」
「あーもういやいやいや!!どうして、、!!」
「なにが?」
「もういいわよ、、別れましょ。」
「なんでそうなるんだよ!今日の君は本当におかしい、どうかしてるよ!明日また話そう。な?」
「別れましょ。」
「おいおいそれは違うだろ?」
「、、、、」
「どこ行くんだよ!」
「、、、、」
「ま、待ってくれ!待ってくれってば!!!」