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毎週日曜日更新

(物語)美幸ちゃん 9

???「こんばんは、、宅急便です。」
健二「なんか頼んでたっけ。」
ガチャ
???「ちょっと入りますね。」
健二「え、、?」
???「どーも。美幸だよ。」
健二「」
美幸「えへへ。来ちゃった。」
健二「友江に会うなって言われてるんだ。だから、、」
美幸「ちょっとお話しするだけ。」
健二「」







美幸「なんだか懐かしい。あなたの部屋。確かあの棚の上にお菓子箱が、、」
健二「もうないよ。友江はお菓子はあまり好きじゃないんだ。」
美幸「」
健二「もう退院したのか。」
美幸「うん、、しばらく安静にって言われたけど、私そんな落ち着いてられないわ。明日はパスタ旅行に行こうかなって思ってるのよ。」
健二「そっか。よかったよ、元気そうだね。」
美幸「うん、、」
健二「」
美幸「なんか、なんていうか、、恋愛ってこんなに辛いんだね。なんでこうなったのかな。」
健二「」
美幸「好きってこんなに単純な気持ちなのに、どうしてそれで起きる物事はこんなに複雑なのかな。」
健二「」
美幸「ばからしいよね。私ってたかが恋愛でこんなにも無様になれるのね。」
健二「俺は君が好きだ。」
美幸「?」
健二「でも友江も好きだ。それで、俺はいま友江と付き合ってる。それじゃだめかな。」
美幸「あなたって満たされてるよね。私にも、あの女にも好かれて。」
健二「つらいよ。その分だけ。」
美幸「、、ごめんね。たぶん、全部の罪人は私なんだと思う。」
健二「そんなわけないだろ、やめてくれ。」
美幸「償えると思う、、?」
健二「頼むから!もうやめてくれ。みんな、明確に罪人なんだ。」
美幸「、、?」
健二「優柔不断も罪で、、恋が多いのも罪。優しすぎるのも罪、口が悪いのも罪。みんな罪人だけど、裁かれない。だから、裁かれるのを待とうとか、自ら裁こうとか、そんなの必要ない!ただそれを抱えて、背負って生きていくんだ。」
美幸「よくわかんないよ、、」
健二「俺も、よく分からないよ。よく分からないけど、美幸はいまなにか誤解をしていることは事実なはずだ。」
美幸「私はどうしたらいいの?」
健二「、、俺が聞きたいくらいだよ。」
美幸「一緒に死んでほしい。」
健二「、、!!」
美幸「背負いたくないの。これからずっと生きていける気がしないの。生きていくたびに、私の重荷は増えていくはずなの。それが私の罪なの。」
健二「俺は最低な人間だ。だから、君をこんな風にしておいて、それでも俺は死にたくない。そしてなにより、君には死んでほしくない。」
美幸「そっか、分かった。」
健二「死にたいとか死のうとか、そんな簡単に言っちゃだめだよ。」
美幸「そうね、、心配させちゃったかな。ごめんね。もうこんな時間。それじゃあ、私はそろそろ帰るね。」
健二「うん、、」
美幸「あなたにはもう会わないわ。引っ越すことにしたの。遠いところ。私、頑張ってみる。だから、あなたも頑張ってね。あなたは確かに最低だけど、とっても素敵なところもたくさんあって、私はあなたのこと、ずっと大好きだから。」
健二「美幸、、」
美幸「じゃあね!今日の夕飯はお別れの記念に、パスタ食べようかしら。」
健二「相変わらずだな、、ありがとう。美幸。」
美幸「うん!こちらこそ!!」





















グチャ



























次回の美幸ちゃんは
最終回「日常」です。
お楽しみに。