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毎週日曜日更新

(物語)美幸ちゃん 8

友江「体調はどう?」
美幸「」
友江「喧嘩しに来たわけじゃないわ。病室で暇してるあなたの相手をしに来たわけでもないけどね。ちょっと様子を見に来ただけよ。」
美幸「健二は?」
友江「家にいるわ。ここではあなたと会わせないことにした。」
美幸「勝手なことしないでよ。」
友江「なに言ってるの。目の前で飛び降りられることほど、勝手なことはないわ。お願いだから、しばらくは健二に会わないで。」 
美幸「辰雄は?」
友江「隣の病室にいるわ。」
美幸「、、ああそう。」
友江「でもまだ、しばらく面会はやめた方がいいらしいわ。」
美幸「、、嘘つき。」
友江「」
美幸「医者に口止めされてるんでしょ。精神状態悪化するかもしれないからって。」
友江「」
美幸「死んだんでしょ?辰雄。」
友江「」
美幸「えへへ、へへ、、」
友江「あなた、気がおかしくなってるわ。」
美幸「医者は何にも分かってないわ。私はここで目覚めた時から錯乱してるの。これ以上気の狂いようがないのよ。」
友江「あなたの彼氏のことは残念だったわ。でも、立ち直らなきゃいけないの。今のあなたには大変かもしれないけど、時間をかけて、、」
美幸「ねえ、こっちに来て。」
友江「」
美幸「もっと近く、顔近づけて、、」
友江「、、!!なにやってるの?!」
美幸「キスだよ。」
友江「本当に気が触れてるわ!付き合ってられない、、もう帰るわ。」 
美幸「ねぇ、待ってよ、、こっち来てよ。ねぇ、ねぇ!!!私から離れていかないで、、!!捨てないで、、!!捨てないで、、」






健二「どうだった!美幸は無事だったか!!」
友江「生きてはいるわよ。もうあの子のことは忘れなさい。」
健二「そんなことは無理だよ。退院したらまた会いに行く!」
友江「あなた、自分の言ってること分かってるの?」
健二「分かっているさ!あの男の代わりになってやれるやつがいなきゃ、、?!!」
パシンッ!
友江「なにも分かってないじゃない!!責任取れるの?!あの男みたいに命捨てられるの?!あの子を捨てておいて、また拾うの?!それがどれだけ一時的にあの子を癒して、、そうして壊してしまうかを分かっているかと聞いているの!!」
健二「そんなに言わなくてもいいじゃないか、、」
友江「、、ごめんね。感情的になっちゃった。でもひとつ言わせて、あなた本当に無責任よ。あの子のことは私に任せて。お願い。だから、一生会わないで。あなたのためでもあるの。」
健二「一生は、、」
友江「一生、会わないで。」
健二「」
友江「でもまあ、口約束なんてあなた守りそうもないけど。」
健二「確かに約束は破るかもしれない、、でも、もう会わないよ。そう決めるよ。」
ギュッ
友江「お願いね。お願いね、、」









次回の美幸ちゃんは「どうしたらいいの」です。
お楽しみに。